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国家試験・公務員試験 合格体験記

商学部
赤間千穂
2020年度卒業生
経歴

 高1夏に簿記3級独学開始・合格➡簿記2級講座(資格の大原)受講、高2の6月に簿記2級合格➡簿記1級講座(資格の大原)受講、高3の11月に簿記1級合格➡高3の11月に公認会計士講座(資格の大原1.5年オータム本科初学者合格コース)➡大学1年4月経理研究所特別会計研究室に入室➡大学1年12月短答式試験受験・合格➡大学2年8月論文式試験受験・合格➡12月大手監査法人内定

公認会計士を目指すまで

 私は高校から明八に進学しました。中学の時は英語が得意科目であったため、漠然と国際日本学部に進もうと考えていました。しかし、高校では英語のレベルが上がり、得意であった英語に苦手意識まで生まれてしまいました。将来やりたいことが特になく、学部は国際日本学部から他の学部に考え直すことにしました。
 そんな時、姉や友達が簿記の資格を取っていたため、高校1年の夏から簿記3級の勉強を始めました。はじめは勉強が面倒に感じてしまい、さぼってばかりいました。しかし、このままでは合格できないと焦りを感じ途中からギアをあげて学習しました。結果的に合格することができ、とても達成感を感じました。その後、部活の友達が簿記2級の講座を申し込んだという話を聞き、私も一緒に受講することにしました。2級は平日の夜週2回の6か月のコースであったため、部活や学校の勉強とも両立することができました。そして、高校2年の6月の試験で簿記2級を取得しました。その際、予備校の先生から公認会計士という資格を紹介していただいたことが後に会計士を目指すきっかけとなります。しかし、当時は部活も学校の勉強もあり、会計士の勉強ができる自信もなく、また会計士になりたいという気持ちもそこまで強くなかったので断念しました。ただ、高校2年のうちに2級まで簿記の勉強をしてきたということもあり高校在学中に1級まで取得したいと考え、1級合格を目指すことにしました。1級は半年のコースで学習される方が多いと予備校で聞きましたが私は自分のペースで学習するために1年間の週2回の夜コースを選びました。1級は難易度がかなり上がり、講座外でも自習の時間を多く設ける必要がありました。予備校の先生からは週20時間を目安にするように言われました。実際には週20時間を達成できた週はほとんどありませんでしたが、予定のない土日は自習室に行ったり、平日も部活から帰ってから勉強時間を設けたりと努力しました。コロナの流行から目標としていた6月の試験が中止になるなど紆余曲折がありましたが、高3の11月に1級の試験に無事合格することができました。その際にもう一度公認会計士を目指すかどうか考え直しました。正直なところ大学では遊びたいという気持ちもありました。ただ、再度調べていく中で公認会計士は女性でもキャリアが築きやすいことや、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるなど魅力的な職業であることを知り、チャレンジしたいという気持ちが強くなったため目指すことを決意しました。これが私が公認会計士を目指したきっかけです。

受験生活

 ここからは簡単に受験生活について書いていきます。会計士受験を始めた時は高校3年の11月でした。ちょうど高校最後のテストが終わったころだったので時間的な余裕はありました。コースも様々ありますが、私のコースでは授業は週4~5回ありました。しかし当時は勉強のやる気が出ず宿題をこなすのみでした。
 大学に入ると経理研究所に所属しました。経理研究所に入室すると公認会計士を目指すにあたり様々なサービスを受けることができます。そのサービスの1つに会計士受験生専用の自習室を利用できるというものがありました。そこで私は同じ目標をもつ多くの人に出会いました。その中で自分の会計士試験への気持ちの甘さを実感しました。経理研究所に入ったことが私の受験生活を大きく変えたといえます。そこから私は勉強時間を増やしたり勉強を朝方に切り替えたりと自分の生活を大幅に見直しました。短答式試験(1次試験のようなもの)対策の時は週40時間~50時間勉強しました。論文式試験対策に切り替わってからは、春休みは週60時間程、学校が始まってからは週50時間程勉強しました。
 よく聞かれる質問で「バイトやサークルには入れますか」というものがあります。私の個人的な話をすると、論文式試験の3か月前まで週2回でバイトをしており、サークルにも所属していました(サークルは月1くらい)。私は、大学に入ったらその2つは必ず経験したいと高校の時から思っていたため会計士を目指すことを理由に諦めることはできませんでした。その代わり、バイトとサークルを勉強時間の言い訳にはしないということは決めていました。正直、バイトやサークルに所属している人はごくわずかで、予備校の先生からも会計士試験に専念するべきだという声もよく聞きます。しかし1つに集中する方が力を出せるとか、息抜きをすることで勉強の質が上がるなどは人それぞれだと思います。そのため、それぞれ自分にあった選択をすべきだと思います。

最後に

 私は高校3年の11月~大学2年の8月までの約2年間会計士受験に費やしました。その中で、辞めたくなったこと、辛かったことも数え切れないほどありました。しかし、合格したいま振り返ると会計士という夢を追いかけて勉強を続けた時間は充実していたようにも思えます。また、それを乗り越えた経験がこれからの人生において大きな強みになるような気がします。そのため私は会計士を目指してよかったと実感しています。
 大学受験がない付属校の皆さんは高校3年間で自分のやりたいことにたくさんチャレンジできると思います。公認会計士をそのチャレンジの選択肢の1つにしてもらえたら嬉しいです。

商学部
塘 雄太
2019年度卒業生
経歴

 高3冬に高校の簿記3級講座受講・2月合格➡大学1年4月~10月に簿記2級講座(経理研究所)受講・合格➡大学1年の11月、経理研究所特別会計研究室入室&会計士本科クラス[秋本科]で公認会計士講座(TAC1.5年L本科)受講開始➡大学2年12月短答式試験受験・合格➡大学3年8月論文式試験受験・合格➡12月大手監査法人内定

はじめに

 2020年3月に明治大学付属中野八王子高等学校を卒業しました塘雄太(ツツミユウタ)と申します。私は高校3年の冬に、明八の校舎で大原の先生による簿記3級の講座を受講し、簿記3級を取得しました。その後明治大学に進学し、1年生の4月から10月まで大原の簿記2級講座を受講し、簿記2級を取得しました。そして、1年生の11月頃から資格の学校TACの1.5年コースで2022年8月の論文式試験合格を目標に公認会計士の学習を開始しました。そして、目標通り2021年12月の短答式試験、2022年8月の論文式試験に合格することが出来ました。本稿では付属生の皆様に向けて、会計士を目指す上でのアドバイスを私の経験を交えてお伝えします。

受験動機

 私は高校3年の冬までは簿記に触れたことはなく、大量の小テストや定期テストの勉強、そして部活動に注力していました。明治大学への進学が決まり、高校3年の冬に簿記3級を学んだ私は会計に興味を持つようになり、会計の専門家である会計士という職業の存在を知ることとなりました。その後、2級を取得しそのまま本格的に会計士を目指しました。
 私が会計士を目指そうと決意した理由は、2つあります。1つ目は会計士の仕事の幅の広さに大変魅力を感じたためです。会計士は独占業務である監査業務だけでなく、コンサル業務や組織内会計士など様々な分野で活躍することが出来ます。さらに、会計は世界中で必要とされており、日本国内にとどまらず海外で活躍することも可能です。私は当時特にやりたいことが決まっていなかったため、自分の専門性を高め将来のキャリアの幅を広げることの出来る会計士という職業は非常に魅力的に映りました。2つ目は大学4年間の中で何かに没頭し自分の強みを見つけたいと考えたためです。大学に入学した当初、コロナ禍の影響で大学の授業はオンラインとなりサークル活動も実施できませんでした。そのため、一般企業に就職することについて漠然とした不安があり、自分の将来について考えるようになりました。この点、  会計士試験は非常に難関な試験であるものの、合格することが出来れば大手の監査法人に殆どの人が就職する事ができるという事を知り、大変魅力的に感じました。また、会計士は3大国家資格とも言われており、勉強の中で自分の強みを見つけ、合格することが出来れば自信にも繋がると考えました。
 会計士試験は非常に難易度の高い試験であり、挑戦するにはとても勇気がいると思います。そこで、会計士の道に進むのに不安のある方はまず簿記2級を勉強してみると良いと思います。簿記2級は就職にも役立ちますし、学んでいく内に自分が会計に本当に興味があるのかどうかを判断することが出来ます。そして、会計士になると決意したのであれば、自分の選択に自信をもって合格に向かって突き進んで欲しいと思います。

会計士試験について

 次に、難関資格と呼ばれる会計士試験ですが実際どの程度の勉強時間が必要なのかについてお伝えしたいと思います。私は2020年の11月から2022年の8月の間で約5000時間を勉強に費やしました。スタディプラスというアプリを利用し、ストップウォッチで勉強時間を細かく記録していたので、この勉強時間は正確だと思います。このように勉強に膨大な時間を割くことになるため、大学生活を謳歌する事は出来ませんでした。何時間で会計士試験に合格できるかは人によりますが、一般的には最低3500時間は必要と言われています。会計士を目指すのであればサークルや遊び、バイトをする余裕はないことは覚悟して欲しいです。それでも、会計士試験に合格することができれば皆さんの将来の幅はさらに広くなり、自分の自信にもつながるため、目指す価値はあると思います。また、3年次で合格することが出来れば、4年次に大学生活を楽しむことも可能です。

受験勉強の中で苦労したこと

 私が受験勉強の中で最も苦労したことはモチベーションを維持する事です。会計士試験の中で特に重要なのは計算科目であり、その修得には日々の反復練習が肝となります。また、会計士試験の試験範囲は恐ろしく膨大なので必然的に大量の勉強時間が要求されます。そのため、モチベーションを維持し勉強を継続しなければなりません。一方で、勉強時間を積み重ねたとしても、学習方法に間違いがあれば成績が伸び悩んでしまうため、努力が結果に繋がらないときには非常にモチベーションの維持が困難となりました。
 そこで、会計士試験を突破する上で重要なことは受験仲間を作ることと、悩みをそのままにしないという事だと思います。私はモチベーションが下がっているとき、受験仲間が毎日自習室に来て勉強をしている姿を見て再び勉強をしようという気持ちを持つことが出来ました。また、大手の会計士予備校では先生や合格者チューターに質問、相談をすることが出来る制度があります。これらを利用し自分の勉強の方向性が合っているか常に意識することが本当に重要です。というのも、会計士試験は正しい努力を続ければ合格することのできる試験だからです。自分の勉強方法に自信がないときはすぐに誰かに相談し、悩みを解決して下さい。

おわりに

 最後に公認会計士試験に合格する上で最も大事だと思うことついてお伝えします。それは、継続力です。会計士試験は合格までに約2年はかかるため、長期間を勉強に費やすことになります。そのため、受験生の中には途中で諦めてしまう方もいますが、会計士試験は凡人でも努力し続ければ合格できる試験だと思います。予備校でも多くの先生が、特別な能力がなければ合格できない試験ではないとおっしゃっていました。この点、明八では多くの小テストや定期試験、さらには部活動に皆さんは日々追われていると思います。私も明八で学習していて小テストの多さに非常に苦労した記憶があります。この生活に耐えられる皆様であれば、きっと継続力が鍛えられていると思います。そのため、会計士に興味を持った方は是非自信をもって挑戦して欲しいと思います。
 皆さんには非常に多くの将来の選択肢があり、今は自分の将来の方向性が定まっていない方もいるかと思います。そこで、自分の興味、関心のある事が何か常にアンテナを張って生活をしていって欲しいです。そして、明八は生徒の挑戦を後押ししてくれる学校だと思うので、自分の将来について是非先生に相談してみて下さい。この合格体験記を読んで少しでも会計士を目指す方のお役にたてば幸いです。

政治経済学部
渡邊俊貴
2018年度卒業生
経歴

 高3冬に簿記3級講座受講・合格➡大学1年6~8月に簿記2級講座(経理研究所)受講、大学1年9~3月に公認会計士講座計算基礎夏クラス(経理研究所)受講開始➡大学1年3月に会計士本科クラス[夏クラス用秋本科](資格の大原)受講開始➡大学3年5月短答式試験受験・合格➡大学3年8月論文式試験受験・不合格➡大学4年8月論文式試験受験・合格、12月大手監査法人内定

体験記

 まず、私が公認会計士という資格を知ったのは高校三年生の時でした。高校三年生で学部希望の用紙に志望理由を書くために色々と職業について調べているときに公認会計士という資格を知り、理由欄に会計士になりたい旨をなんとなく書いて、それが嘘だとばれないようにするために高校でやっていた簿記三級の講習を受けて簿記の勉強を始めました。最初は面接対策のために始めたため公認会計士なんて目指す気はありませんでしたが、簿記の勉強は思っていたよりも面白く大学でもやろうと思い、公認会計士を目指すことになりました。
 私は高校生の時は部活動をしておらず、勉強も平均点くらいを取り続けていたため勉強に力を入れていたわけでもなく、3年間遊んで暮らしていました。そのため私は最初公認会計士試験について調べた時に、そんな試験、自分は付属出身で大学受験の勉強をしていないし、高校でも成績が良かったわけではないし、何かほかに頑張っていたことがあるわけでもないので、周りの賢い人たちに勉強で勝つなんて無理なのではないかと思っていました。しかし、公認会計士試験において高校で学んだことを使う場面はほとんどなく、中学校までの数学の知識があれば問題はありませんでした。また、公認会計士試験を受験する人の中に付属高校出身の人は私が思っていたよりも多くいました。ですので付属高校だから難しいということはなく、むしろ3年間遊んでいたから大学ではしっかり勉強できたのではないかと思うので、会計士に興味があるけど勉強してこなかったし無理かなと思う方がいたら、私のように怠惰な人間でも合格できたので安心してほしいなと思います。
 次に、私が合格してからあまり日数が経っていないため、そんなに多くはありませんが、公認会計士試験で合格して良かったなと思うことについて書こうと思います。まず、この試験はとても大変なため周りの人からとても褒められるし、私は結構お祝い金(現役合格報奨金・所長奨励賞の奨学金のこと)をもらえました。次に、就活がすぐに終わりますし、あまり内定をもらえないということはないのではないかなと思います。大学生になれば就活のことで悩むことも多いと思いますが、私は就活で悩むことが一切なかったため良かったなと思います。さらに、いろいろな話を聞いて会計士は職業選択の幅が広く将来の選択肢を広げることができるなと思いました。逆に会計士を目指すデメリットは、勉強が大変だったことと、時間がないのであまり大学生活を楽しめなかったことだと思います。
 会計士の勉強は大変ではありますが、正しい努力をしていればいつか合格できる資格であると私は思います。さらに合格すれば努力以上のメリットがあると思います。そのため会計士に興味を持った方がいたら是非挑戦してほしいなと思います。

商学部
上野 由羽
2018年度卒業生
学習履歴

高校3年2月簿記3級合格→大学1年6月簿記2級講座,9月計算基礎夏クラス受講→大学1年3月会計士本科クラス(資格の大原)→大学3年5月短答式試験合格→大学3年8月論文式試験合格(一発合格),大手監査法人内定

はじめに

 私は、2019年3月に明治大学付属中野八王子高等学校を卒業し、2021年12月現在大学3年生の上野由羽と申します。私は、高校3年生の冬に、資格の大原の講師の方が明八の校舎で講義を行ってくださる簿記3級講座を受講し、簿記3級を取得しました。その後、明治大学に進学し、経理研究所(簿記検定や、公認会計士の資格取得を目指す生徒の大半が所属)に所属しました。そこで、大学1年生の6月から簿記2級講座、そのまま経理研究所主催の計算基礎夏クラス(簿記1級or公認会計士試験レベルの講義)、その後に資格の大原の1.5年オータムコース(本格的に公認会計士を目指す予備校の講座)へと進みました。
 公認会計士試験は、短答式試験(12月と5月の年に2回)と論文式試験(8月の年に1回、短答式試験合格者が対象)に分かれています。私の2021年目標の代は2020年12月の短答式試験が、新型コロナウイルスの影響で中止になってしまったため、私は、大学3年生の5月に短答式試験に合格し、8月に論文式試験に合格しました。
 このような状況は極めて稀ではありますが、その中での私の経験をもとに、合格体験記を書かせていただきたいと思います。

受験動機

 この文章を読んでいただいている方は、恐らく簿記講座を受講している方、受講するか悩んでいる方、公認会計士を目指すもしくは目指すか悩んでいる方だと思うので、そのような方に参考になるような視点で書きたいと思います。
 私は高校3年生の冬に、付属校出身で明治大学に進学するのであれば何かしら自分の強みを持っておきたいという思いから、簿記3級講座を受講しました。これが私の初めて簿記に触れた場で、それまでは毎朝の小テスト勉強や日々の宿題、さらには部活動に明け暮れる日々で簿記に触れていたことはありませんでした。
 大学に進学してからは、簿記1級を取得していれば一般就職においても有利になるだろうなという気持ちで経理研究所に所属していました。しかし、女性の就職の現状は、自分がその時想像していた以上に大変な出来事が多いことを知りました。そんなことを考えていた中で、公認会計士試験に合格した女性の先輩が生き生きしている姿を見て、私も専門知識を得た一人の公認会計士として、一人のプロフェッショナルとして活躍したい、という思いから公認会計士試験を受験することを決心しました。

受験生活で苦労したこと・経理研究所の利用の仕方

 私達の2021年目標の代は、新型コロナウイルスの影響で、12月に行われる予定であった短答式試験が中止となりました。大学2年生の12月に合格する予定で学習計画を立てていた中でのこの発表は、私の中で非常に衝撃であると同時に、モチベーションを奪う出来事となりました。必然と一発合格をするには、大学3年生の5月に行われる短答式試験に必ず合格しなければならない、というプレッシャーを感じたためです。
 しかし、そのような環境の中でも経理研究所の職員の方々は、自習室で勉強する機会や簿記検定を受ける機会など、受験生がモチベーションを維持することが出来るように尽力してくださいました。そこで、自習室に毎日通うことで同じ状況である受験生の仲間を作ることができ、日々支えあったり、時には競い合ったりしながらもどうにかモチベーションをアップし、そして維持しながら本試験に臨むことが出来ました。経理研究所の職員の方々、そして共に戦い支えあった21年目標の受験仲間には感謝してもしきれません。

最後に

 ここまで拙い文章ではあったかと思いますが、読んでいただきありがとうございました。公認会計士試験で一番難しいことは“続けること”だと思います。学習することを諦めず続けることができれば、大半の方が合格できる試験です。そして、経理研究所の先生方も仰っていますが、周りの友達を倒さなければ合格することが出来ない試験でもありません。同じ目標を持つもの同士で切磋琢磨することは、特に大切であると私はこの受験生活を通して感じました。
 皆さんは、将来の選択肢の幅が多く、やりたいことが決まっている方も多くはないと思います。少しでも簿記や資格取得への興味や、自分の強みを磨いてみたい、という気持ちがある方は、ぜひ経理研究所の簿記講座を受講することや、公認会計士試験受験を考えてみることをお勧めします。さらに、明八での毎朝の小テストによる学習する経験は、公認会計士試験の勉強にも非常に役に立ったと感じています。実は圧倒的に小テストの数ではどの高校にも負けないくらいの回数をこなしていたことを、大学に入学して初めて知りました。
 皆さんの将来への不安に関して、私に出来ることであれば全力でサポートさせていただくので、何か困ったことや相談事などがあればお気軽にご連絡ください!!少しでもこの合格体験記が参考になれば幸いです。
(2021年12月執筆)

政治経済学部
入船 弘嗣
2018年度卒業生
学習履歴

大学1年4月簿記3級講座受講,6月簿記2級講座受講,9月計算基礎夏クラス受講→大学1年3月会計士本科クラス(資格の大原)→大学3年5月短答式試験合格→大学3年8月論文式試験合格(一発合格),大手監査法人内定

 私は中学高校と本校で野球部に所属していました。中学は、キャプテンとして本当に楽しくやらせていただきました。高校になると部員が増えレベルも高くなりましたが、試合に出ることができ、ある程度は活躍できたのではないかと思っています。甲子園という目標を掲げ日々野球のことを考え生活をしており、野球をしているか部活がオフの日には友達と遊んでいるかという記憶がほとんどです。練習は正直大変で、その疲れのせいか、授業中などで話を聞いていなく怒られることもありました。勉強に関しては特になりたい職業も決まっていなかったので、そのまま大学に入れる勉強しかしていませんでした。政治経済学部という進路も経済について知っておいた方がいいかなという程度の気持ちで選択したので明確な理由があったわけでもありません。
 しかし、大学に入学した際、この大勢の明大生の一人として大学生活を過ごし就職することに物足りなさを感じました。そこで、将来のために何か人と違う自分の強みとなる事、やりたい事に挑戦したいと考えるようになりました。そして、そのきっかけを掴むため大学の多様な説明会に参加し、公認会計士という職業に出会いました。自分は簿記の勉強などしたことがなく全く知らない世界でした。しかし、会計や経営に関する事には少し興味があり、独立して自分の事務所を開業している人やコンサルティングをしている人などキャリアの広さにも魅力を感じました。更に会計士試験は三大国家試験の一つであり難易度が高いということで、資格を取得できれば自分の強みになると思い、公認会計士を目指す事としました。
 大学1年や2年次は体同連軟式野球部の活動、アルバイトと並行して勉強していました。公認会計士の勉強の中で私が最も大切だと感じたことは自分を知ることだと思いました。勉強の仕方は人によって様々です。さらに、モチベーションの上げ方や集中できる時間帯や環境も十人十色だと思います。その中で、どうすればモチベーションが上がるか、どのような勉強方法や場所を選択すれば良いのか自分を知ることによりわかるはずです。これにより、集中でき長期間の勉強もメリハリをつけ人に影響されることなくやることができたと思います。私自身約2年間の勉強の中でやる気が上がらない時や集中できない時もありましたが、自分を理解して一度休むこともありました。ですので、これまでの受験勉強や定期テストの勉強などの経験や自分の性格を踏まえて考えてやれたことが合格に繋がったと思います。
 中学高校生活の中で胸を張って頑張ったと言える事、勉強、部活、習い事や家事など何でもいいと思います。それが、将来何かしたいことや挑戦したい事の土台となると思います。苦しい時にも「私はできる」という自信にも繋がります。ですので、将来の事を早くから考えて既に行動している人は素晴らしいと思います。ですが、まだやりたいことが決まってない人も今頑張っていることをやり続けて下さい。そうすれば、必ずきっかけを掴むと思うのでそれを大切にして、学校生活を存分に楽しんでください。
(2021年12月執筆)

商学部
長澤 夏子
2017年度卒業生
学習履歴

高校2年冬経理研究所簿記2級講座受講,高校3年簿記2級合格→大学1年4月計算基礎春クラス受講→大学1年12月会計士本科クラス(資格の大原)→大学3年8月短答式試験合格→大学4年8月論文式試験合格,大手監査法人内定

はじめに

 私は、高校卒業までに簿記2級を取得し、大学1年の春から経理研主催の計算基礎春クラスに、同年11月から大手予備校に通い、大学3年の8月に短答式試験に合格、大学4年の8月に論文式試験に合格しました。この合格体験記を読んで、1人でも多くの方が会計士試験を目指すこととなれば幸いです。

受験動機

 私が公認会計士を志したきっかけは、高校2年生の時に明治大学経理研究所主催の簿記2級の講座に参加したことです。そこで会計士試験に大学在学中に合格した明八出身の先輩とお会いしました。私は、難関試験と呼ばれる試験に大学生活と両立して合格できることに驚くとともに、公認会計士という仕事に興味を持ちました。
 私はそれまで公認会計士という仕事を全く知りませんでしたが、調べる中で主に2つの点で魅力的な仕事だと思いました。1つ目は、公認会計士は監査証明の提出を通じて会社の健全性を証明することで社会の役に立てる仕事だという点です。公認会計士はその有する専門的知識と独立した立場から、企業が開示した情報の真偽を確かめ監査証明を提出します。これにより、利害関係者を保護し、国民経済の健全な発展に寄与することができます。2つ目は、長く働ける点です。公認会計士は資格を有する仕事であるため、ライフイベント等により一時仕事から離れてもその後復帰しやすく、長く働くことができます。また、会計士は監査証明の提出以外にも様々な仕事があり、キャリアプランを多様に描けるのも魅力的だと思いました。以上のことから私は公認会計士を志し、大学在学中の公認会計士試験合格を目指しました。

経理研の存在

 会計士試験では受かりたいというモチベーションを保つことがとても重要だと私は思います。試験勉強を始めたばかりはそんなに重要ではないと思われるかもしれませんが、長期戦になればなるほど重要です。ここで経理研究所に所属することは、モチベーション維持にとても役に立ちました。私は経理研で知り合った仲間と時々一緒にランチしたり、話すことでリフレッシュしていました。勉強に打ち込むほど、自分だけ成長できていないのではないかと不安に思うこともありましたが、仲間と話せばそれは私だけじゃないと感じ、落ち着いて勉強に戻ることができました。また私は経理研の自習室をほとんど毎日利用していましたが、近くの席のいつも勉強している仲間の姿を見て、もっと頑張らなくてはと勝手に励まされていました。こういった意味で経理研の仲間はとても貴重ですし、そのようなコミュニティの場がある経理研生はとても有利だと思います。是非多くの仲間と共に合格を目指してください。

最後に

 拙い文章ではありましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。公認会計士試験は難関試験と呼ばれていますが、それだけ合格した時の達成感は大きいです。1人でも多くの方が会計士試験に挑戦し、合格できることを願っております。
 最後になりましたが、会計士試験を目指すきっかけとなった講座を開いてくださった明八の先生方、本所先生をはじめとした経理研究所の教職員の方々や先輩方、共に励まし合った友人や近くで見守ってくれた家族、関係するすべての方に感謝を申し上げます。
(2021年12月執筆)

商学部
木村 豪
2017年度卒業生
学習履歴

大学1年9月計算基礎夏クラス受講→大学1年3月会計士本科クラス(資格の大原)→大学2年12月短答式試験合格→大学4年論文式試験合格,大手監査法人内定

 2017年度に明治大学付属中野八王子高校を卒業しました。高校時代はラグビー部に所属していました。私は2021年度の公認会計士試験に合格することができました。
 付属生は、進路を選ぶ際に将来のことについて考えることがあると思います。私も高校生の時に公認会計士というものを知りました。小さい時から数学が好きだったので、公認会計士について興味がでてきました。そのため、会計士の勉強をするのに環境が整っている商学部に進み、経理研究所というものに大学1年生の4月に入りました(簿記3級講座)。
難関試験ということで、最初は不安もありました。とりあえず最初は簿記検定を取ろうと思い、気楽に勉強を始めました。簿記検定は大学の授業でもありますし、取っていると簡単に単位がもらえたりする授業もあるので、あって困るものではないです。私は、簿記検定2級まで取ってからその後会計士目指すかどうか決めようと思っていました。商学部は、1、2年生は全員同じで3年生からコースが分かれるため、もし会計士を目指さないことになったり、他にやりたいことができたとしても、後から軌道修正することができます。こういう面でも商学部は魅力的だと思います。まだ、将来やりたいこととかが明確ではない方にはいいと思います。私は、会計士をそのまま目指すことにしたので、アカウンティングコースに進みました。
 公認会計士試験は、まず短答式試験を受け、それに受かったら論文式試験となります。このどちらの試験でも計算問題が多くあります。比重も大きくなっています。そのため、自分のように数学や計算が好きという方は向いていると思います。もちろん半分くらいは暗記科目もあります。
 まずは、簿記検定2級まで取ってみるといいかなと思います。簿記検定2級があれば就職活動でも有利になります。そして自分のように取ってから会計士の道を視野に入れるのがいいのかなと思います。公認会計士試験は、友達を蹴落として自分だけ合格するという試験ではありません。友達とともに切磋琢磨して、みんなで合格を目指す試験になっています。
 会計学研究会というサークルに入れば会計士を目指している同期との横のつながりや、先輩後輩との縦のつながりを作ることができます。自分は今でも先輩と会ったりしているので、少しでも興味があればサークルに行ってみてください。
後悔がない選択ができるように、将来のことについて考えてみてください。
(2021年12月執筆)

政治経済学部
藤田 真奈
2016年度卒業生
学習履歴

中学3年11月簿記3級合格→高校3年冬明治大学経理研究所主催簿記2級講座受講→高校3年3月先取り学習で会計士本科クラス(資格の大原)受講→大学3年5月短答式試験合格→卒業後(2021年)論文式試験合格,大手監査法人就職

はじめに

 私は2017年3月に明治大学付属中野八王子高校を卒業し、2021年3月に明治大学政治経済学部を卒業しました。2021年8月に公認会計士試験に合格し、現在はPwCあらた有限責任監査法人に勤務しています。今回は、付属生の方を対象に公認会計士試験に合格するまでのお話をさせていただきます。

公認会計士を目指すまで

 私は、中学3年生の9月ごろに大原主催の簿記3級講座を受講しました。動機は片桐誠賞・奨励賞がもらえるからという理由で、簿記については全く知りませんでした。確か合唱祭と時期が被っていて、毎日課題に追われ、野球部と同じ19時10分のバスに乗って帰っていたのを覚えています。結果中学3年生の11月に簿記3級に合格しました。
 時は流れ、高校3年生のとき、簿記3級保持者を対象として簿記2級講座の説明会と公認会計士試験合格者OGの方のお話を聞く機会がありました。そこで、公認会計士という職業を知り、公認会計士という資格を活かして様々な分野で活躍できること、長期的に安定した収入を得られることを知りました。当時、すでに学部決めが終わっており、テレビ局かラジオ局で働くのが夢だった私は政治経済学部を志望していました。結局、政治経済学部で決まりましたが、その時にはもう公認会計士という資格に魅了され、簿記2級の勉強を始めていました。明治大学経理研主催の簿記2級スタンプラリーがあり、ひたすら問題を解いていたのが記憶に新しいです。高校3年生の終わりから大原の公認会計士講座を受講し始めました。卒業式の時期は大原の授業が忙しすぎて卒業に浸れなかったのが唯一の後悔です。

公認会計士試験に合格するまで

 高3の終わりから目指した公認会計士試験ですが、合格するまでに約5年かかりました。最後は監査法人の短免採用(短答式試験合格者採用)で働きながら試験を受け、何とか合格することができました。高校生までは、毎日の朝小テストや宿題、定期テストなど先生から課された課題をこなせば評価されますが、大学に入ると、主体的に学ぶ姿勢が求められます。私はある程度の強制力がないと頑張れないタイプだったようでこの試験に受かるまでにだいぶ遠回りをしてしまいました。合格した年は、平日は定時後に約4時間、試験の直前期は、毎日10時間以上は勉強していました。

最後に

 皆さん、毎日の小テストや口頭テストに追われ、忙しい日々を送っていることでしょう。私も当時は毎日そういったものに追われていましたが、その忍耐力は将来生きてきます。それから、付属生あるあるですが、大学がほぼ同じということもあって周りに流されやすくなりがちだと思います。明八では、簿記の講座だけでなく、模擬裁判など将来について考える機会がたくさんあります。ぜひ、自分の将来について考える時間を作ってください。私の場合、高3の時の進路決めが人生で一番悩んだ時期でした。悩み続けた結果、公認会計士という職業に出会い、今は希望していたエンターテインメント系の会社の監査に従事しています。
 公認会計士は勉強が大変そうだから自分はやめとこう、という理由で諦めてしまうのはもったいないです。確かに、試験勉強は辛いものですが、毎日の朝小テストや口頭テストをこなしている明八の皆さんにとってはそこまで苦ではないと思います。ぜひ、公認会計士について興味を持たれた方は、先生に相談してみてください。経理研の本所先生や私を含むOB・OGの方が全力でサポートしてくれるはずです。
(2021年12月執筆)

商学部
藤田 大輝
学習履歴

高校1年で3級合格→大学1年4月に計算基礎春クラス受講→大学1年12 月から専門学校に通学開始→大学3年5月短答受験(合格)→大学3年11 月論文受験(合格)

 まず私が公認会計士を目指したきっかけについて話したいと思います。私は高校一年生の時に簿記三級を取得したのですが、当時はなんとなく取得しただけで公認会計士については考えていませんでした。高校生の頃はラグビー部に所属しており部活動も忙しく一度勉強をやめてしまいました。しかし明治大学に進学後、付属高校で受験をしていないことに引け目を感じ、時間に余裕があるうちになにか大きな目標に向かって努力を行い明確な成果をあげたいと思いました。そんな時に簿記について思い出し、目標が分かりやすい公認会計士を目指すことを決意しました。
 もちろん再び勉強を始めた時はなにも覚えていなかったので、明治大学が予備校と提携して行っている簿記三級の講座から始めました。そのためスタート地点は一般受験の明治生と同じでした。ほかの付属生は高校生3 年生から大学生とともに勉強を始めて一年早く合格した人もおり、ゲームばかりしていないで勉強をしておけばよかったと思うこともあります。一発で受かることができれば大学生3 年生、4 年生は就活をせずに好きなことに時間を使うことができるためです。しかし、私は勉強を始めるのが遅かったおかげで付属生以外の勉強仲間を得ることができ、楽しく受験勉強をすることができたので大学に入ってから勉強を始めるのでも遅くはないと思います。私の友人には大学二年生から勉強を始めた付属生もいます。
 勉強を始めるにあたってみなさんの中にはバイトやサークルで埋まる大学生活の方にも興味あるという悩まれる方もいると思います。その憧れが強い人や、会計士を目指すか悩んでいる人、他の何かにも興味がある人は私と同じタイミングで勉強を始めることをお勧めします。
 会計士受験は最短で受かるとしても大学三年生の8月まで勉強をする必要があるのですが、大学一年生の段階ではそこまで時間をかける必要はないので、バイトやサークルとの両立は充分に可能です。その段階でサークル活動等に力を入れたいと思い勉強を止める場合であっても簿記二級まで取得できてれば就職活動で有利となります。私の場合は上記のように初めから勉強をするつもりはありましたが、大学一年生の時にサークル活動を積極的に行っていました。一年間は十分楽しむことができたため悔いなくそれ以降の勉強に切り替えることができました。
 時事的な問題を含めて考えても会計士を目指すという選択は悪くないと思います。コロナウイルスの影響でサークル活動は下火となっており2021年度もどうなるかわかりません。やりたいことがなく時間が余る状況の場合に、一つ明確な目標があればそれは大学生活を豊かにしてくれます。以上で合格体験記を終わります。

経営学部
後藤 綾香
学習履歴

高校までに2級合格→大学1年4月に計算基礎春クラス受講→大学1年12 月から専門学校に通学開始→大学3年5月短答受験(合格)→大学4年11 月論文受験(合格)

 私は、高校2 年生の時に日商簿記に挑戦したことをきっかけに公認会計士を志しました。とは言っても、高校生の時から公認会計士になりたいという夢を持っていたわけではありません。高校の時に、友人が日商簿記に挑戦していたため、その感想を聞き、自分も挑戦してみようと思いました。資格というものは持っていて損になることはないです。実際に履歴書に所有資格として書くことができますし、大学でも簿記に関する授業もあったため、他の人に比べてアドバンテージを有することができました。そして日商簿記検定取得後に、さらに高度な会計の知識を身に着けたいと思い、大学生の時に公認会計士を目指すことを決めました。
 公認会計士を目指す入り口は様々な人がいます。私の場合は、簿記や会計に魅力を感じたという理由でしたが、他にもキャリアの広さ、女性の働きやすさ、給料の良さなどと本当に様々です。それだけ、公認会計士という職業は魅力の多い職業だと感じています。公認会計士は会計の専門家ですが、その業務の幅はとても広いと感じます。公認会計士の専門業務である、監査の仕事だけでなく、税に関することやコンサルティングなどといった仕事も行うことができます。国内に限らず、海外で活躍する人もたくさんいます。また、公認会計士は女性が働きやすい職業だと思います。男女関係なく対等に働ける職業だと思いますし、出産を経験したりしても、資格やその専門性を生かして復帰している人も多くいます。
 明治大学では、経理研究所という公認会計士を目指している人たちが集まったグループが存在しており、同じ目的を持ったたくさんの仲間と出会えます。目標に向かって努力を惜しまない、尊敬できる仲間がたくさんでき、良い影響を受けることができます。私自身公認会計士試験に合格した今、過去の自分と比べると成長できたと実感していますし、大きな目標を達成したことで自分に対しより自信がつきました。一歩踏みだして、挑戦してみて良かったなと思います。勉強が伸び悩んだりと辛い時期もありましたが、もし過去に戻れたとしても同じように公認会計士試験に挑戦すると思います。
 公認会計士という資格は、世間では難関資格と言われており、とても合格することが難しい試験のように感じるかもしれません。しかし、私は公認会計士は継続して努力を続ければ、その努力が報われる可能性が高い資格だと思っています。少しでも興味がでたなら、ぜひ公認会計士について調べてみてください。公認会計士という仕事の魅力をたくさん感じられると思います。

法学部
遠田 昂太郎
2016年度卒業生
法学部を志望した理由

 法学部を志望したきっかけは、父親が法律関係の勉強をしていた時期があって、参考書とかが残っていて、小さい時から身近なところに法律が存在していて、中学生くらいの時に、父親が教えてくれて、弁護士・検察官、いわゆる法曹の仕事というものがあると知りました。高2くらいの時に、実際に裁判の傍聴に行って、法曹の方の振舞などを見て、こんな仕事がしたいなあという漠然とした憧れを抱くようになりました。法律家を目指すには、法学部が一番の近道じゃないかと思って、志望しました。

法曹を志望した理由

 傍聴した裁判では、心神喪失に陥っていた加害者が親族を凶器で刺してしまったといった刑事事件を扱っていて、動機についての議論が延々となされていて、その経緯を聞いていて怖さを感じました。検察官になりたいというのが勉強を始めるきっかけになっていたので、主に検察官の様子に視線を送って見ていたんですけど、法律を扱う人というだけあってビシッとスーツが決まっていて、持っている資料も難しそうで、立ち居振る舞いや発するひと言ひと言がかっこ良くて、なるほど、資格を取るとこういう仕事ができるんだと感じ、たしかに、ひとの人生を左右する仕事ではあるけど、だからこそ、やりがいがあるのかなというふうに思って興味を持ちました。

司法試験にチャレンジ、合格への道

 司法試験にチャレンジしようと決意した時期は、法学部を志望したのと同時です。法曹の仕事に興味はあっても、実際に仕事に就いてみないと自分に合っているかはわからないので、とりあえず、司法試験を取ってみないと始まらないと思って勉強を始めました。大学1年の4月には予備校はどこにしようか探し始め、5月には通っていました。勉強時間は一日平均6~8時間で、直前期には10時間以上と、メリハリをつけてやっていました。試験科目は、基本六法、つまり、憲法、民法、刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法、商法とそのほかに、もう一つ行政法というのが付け加わって、基本7科目が中心です。あとは、実務科目と一般教養科目っていうのもあるんですけど、予備試験も含めて、主に基本7科目を勉強していけば受かるという試験です。勉強のコツは、とにかく反復することと、あとは、アウトプットを欠かさないことだと思います。アウトプットはとても重要で、知識の定着にもなりますし、本番の試験が論文式試験で書く試験なので、タイムマネジメントを含めて、実際に書く練習をしておかないと本番になかなか対応できないっていうのがあったので、とにかく書いて書いてを繰り返して、その合間にインプットしていくという勉強でした。暗記勝負というのではなく、量をやっていれば自然と覚えられるという形です。継続的な努力ができたのは、始めちゃった以上は逃げられないし、取ってみないことには何も始まらないので、そこに向けて何も妥協はできないという意識があったからだと思います。何があっても続けるっていう覚悟は最初に決める必要がありますね。中途半端に目指すと絶対に通らない試験ですし。最初に、やるならやる、やらないならやらないで違う道があると思うので。
 勉強を続ける中で1番苦労したというのは、大学1, 2年生の間は、やっぱり周りの友人は遊んでいて、でも勉強しなきゃいけないというところで、友人と遊ぶことに参加できない、特に遊びっていう面ではかなり犠牲にしたかなと思います。サークルにも参加しなかったので、交友関係もやっぱりどうしても狭まってしまって、ひとりで閉じこもってやることで、精神的に追い詰められたということはありました。最終的には、孤独で勝っていかなきゃいけない試験ですし、そういう職業だと思っていますので、そこは慣れだと思うのですが、慣れるまではかなりしんどかったですね。でも、1年も勉強を続けていれば、まあそういうもんだよなと、なんとなく体に染みついてきて、そんなに苦にならなくなってきて、適度に息抜きをするという術も、なんとなく自分の中で身についていきました。
 司法試験の合格発表は、今年はコロナの影響で掲示はなく、法務省のホームページに受験番号が載る形だけだったのですが、予備試験に通った人はほぼ落ちないので、自分の番号を見つけたときは、机に突っ伏してただ溜息が出たという感じです。歓びというよりは「ほっとした」という安堵感の方が大きかったです。大学3年で予備試験に合格(合格率4.04%)して司法試験の受験資格を得て、今回、1回目の受験で合格となりました。現役の学部生としての合格は、2年連続で、明大史上2人目だそうです。

今後の動き

 今後は、今、内定を頂いている法律事務所が主に企業をクライアントに持つ事務所で、個人対象の一般民事、たとえば離婚とか交通事故といった身近な例はあまり扱わないので、規模が大きい企業対象のものに非常に興味があります。あとは、勉強を始めるきっかけだった検察の方は、来年度から司法修習という研修が1年間あるんですけど、そちらに行って仕事内容を拝見しないことには、ちょっとなんとも言えないところがあるので、今はその二択かなと思っています。検察官になれるかどうかっていうのは、司法研修所の採用がなければなれないというものなので、実際に来年度研修で仕事内容を見て、自分のやりたいことと合っているかを判断することになります。

法曹界の魅力と求められる資質

 目の前に困った方が来られて自分が実際にアプローチをしていくなかで、「人のためになる」というのが一番身近に感じることができる仕事なんじゃないかなあと思います。それは法曹三者で、三者三様、違うと思うんですが、どれも共通して困っている人に対して自分のしたことが形として見えるというのが、魅力として一番大きいと思います。必要な資質は、ひとと話すことに対して物おじしないだとか、あとは、困っている方が相手なので、精神的にきつい仕事だとも思いますので、メンタルの強さ、折れない心というのも、持っていた方がいいのかなと思います。僕自身も、これから鍛錬を積んで、身につけられたらいいなと思います。

高校時代の生活

 高校時代は、友だちも少なからずいて、楽しく生活していました。思い出に残っているのは部活動で、野球部は特に忙しかったので、どうやって学習の時間を確保しようかと、日々考えながら生活を送っていました。定期テストの成績もそんなに悪くなかったので、先生方の間では、そんなに悪いイメージはないと思いたいです(笑) より力を入れていたのは勉強か、部活かということで言うと、やっぱり勉強を軸に回っていて、国公立併願の準備のために、高1の冬から大学受験の予備校に通っていて、野球は勉強に支障が出ない程度にがんばっていたというのが正直なところです。理由は簡単で、将来にどっちが直結するかといえば、野球はたまたまメンバーでしたがそこまで上手じゃないと思っていて、高校までと見切りをつけていたので、勉強が中心になっていました。卒業の際に後輩たちからもらう色紙の寄せ書きには、「文武両道」という言葉が飛び交っていて、とてもうれしく思いました。それと、明八の行事、特に、体育祭は楽しかったと記憶しています。自分は少し足が速かったのでリレーの選手に選ばれてヒーロー気分みたいなのを味わえたし、準備期間も含めて楽しかったなと思います。それと、国公立併願もしたのですが、結果としては、明治で良かったと思っています。司法試験合格に向けてのいろいろなサポートがあるし、結局、やるのは自分なので、明治で十分でした。

高校時代の自分に、今、声を掛けるとしたら

 難しい質問ですけど、やっぱり、やりたいことを自由にやったらいいんじゃないという感じですかね。僕は今までの人生で、ひとつも後悔してるなっていうことがなくて、まあそういうふうに生きようと思っているので、高校時代の自分に、ああしとけよっていうんじゃなくて、失敗したこともたくさんありますけど、それも今の糧になっていると自覚しているので、楽しいことは楽しんで、勉強もちゃんとやって、ほどほどに生きてくれればいいよねっていう感じで、自由に生きてくれればいいよとなります。正しくなかったことが今正しくなかったとわかっているということは成長していると思うので、勉強方法もそうだし、考え方みたいなことも、決して昔の自分が正しかったとは思わないんですけど、まあ高校生の自分だったしなと思うと、今、納得しているところです。

在校生へのメッセージ

 なんとなく3年間を過ごすのはきっと簡単で、定期テストもそこそこやっておけば、そこそこの人生が待っていて、しかも明八の場合は、明治大学っていう高いレベルの大学にもストレートに上がれるので、何となく生きることは可能だと思うんですけど、その中で自分が一つ打ち込むものを何か一つ作ると人生は180度変わるかなと思いますし、それを見つける努力をするだけで毎日が変わってくると思うので、いま何していいのかわからないよっていう生徒さんには、自分の将来のために何ができるのかというのを考えてもらって、その選択肢の一つとして、僕が目指した法曹への道が出てくれば、うれしいと思います。それと、将来に直結するという意味では、英語の勉強をしっかりやっておいた方がいいと思います。今の時代、英語を使わずに仕事をするのは不可能なので。また、若いうちから読書をして、教養を身につけておくのも大事です。教養がないと、相手と話していても、同じ土台に立って考えられないので。中学生、高校生でしか体験できないことがたくさんあると思うので、それを嫌がったり、当たり前だと思ったりしないで、しっかり楽しんで、勉強もしっかりやって、充実した生活を送っていただけたらいいんじゃないかと思います。

毎日、自分を支えてくれた両親に感謝

 ほんとに両親の支えがなかったら、今の自分はないと自信を持って言えるんですけど、勉強に集中できる環境を作るって相当に難しいと思うんです。それを何にも文句を言わずにやってくれた。お金を作ることもそうですけど、食事を作ることもそうですし、あとはまあ、勉強している間は邪魔しないとか、送り迎えをしてくれたとか、とにかく、勉強に集中できる環境をすべて整えてくれたという面で、ほんとうに感謝していますね。

法学部
不京 拓也
2016年度卒業生
中高時代の印象に残った思い出

 中学だったらやっぱり部活のラグビー、高校でも続けていたんで、それが一番大きいですけど、やっぱ明八だったら、体育祭が一番印象に残っています。大学行ったら、ああいうみんなで盛り上がるっていう機会がないので、それができるのは高校生までかなと思っていて、あれだけクラスで団結してがんばれる、そういうことができたのはすごく楽しかったなあという印象が、今、すごく強いです。

国税専門官を目指した動機と仕事内容

 父親が国税専門官だったので、その影響が一番大きかったのかなあと思っています。大学でもラグビー部に入ってやりたいなあっていう考えもあったのですが、高2のときに大きなけがをしてしまって、将来的に自分はラグビーを続けていくのは厳しいかなって思って、ちょうど同じ時期に、大学の学部決めをしなきゃいけないっていうのが重なって、自分がどういうことを将来したいのかな、じゃあ、国税専門官をいったん考えてみるのもいいのかもしれないなあと考えたのが、志望したきっかけです。国税専門官の仕事内容は、だいたいは税務署に勤めて、確定申告の手続きを行ったり、税務相談を受けたりすることになります。ほかにも、マルサって言われる査察官をやる可能性もあります。査察官っていうのは、裁判所からの令状を受けて、ちゃんと税金を払っていない疑いのある事業所を取り調べる仕事をします。あまり人数は多くないので、一般的には、税務署に勤めることになります。東京国税局に採用されたので、勤務先は東京・神奈川・山梨・千葉の範囲だけで、一般企業のような単身赴任など、転居を伴う転勤がないというのも魅力です。

大学生活と法学部の勉強

 大学ではラグビーのサークルをやっていて、アルバイトは2年の時に、飲食のチェーン店でやっていました。一般受験で入ってきた学生とは知識量や英語の面ではできる人が多いのかなと差を感じましたが、でも、みんなが初めて受ける授業では、あんまり差はなかったかなと感じました。法学部の勉強は、出席は取らずにテスト百パーっていう場合が多いので、自分でやればなんとかなるっていう人も周りにはいたのですが、自分は教科書から読み取るっていうのはあまり得意じゃなかったので、ちゃんと授業に出て、しっかり先生の話を聴きながらメモをとって試験前に復習することを心掛けてやっていました。法学部って、ほかの学部の人からは試験が大変ってイメージが大きいと思うんですけど、たしかに、情コミなどと比べると必修科目が多くて、試験期間の一時期は、頑張る必要がありますが、でも、就職の面接で、大学で何をやったか聞かれたときに、こういうのをやりましたっていうのがちゃんとあって、面接官もイメージしやすい答えができるのがメリットの一つだと思います。あと、ほかの学生が遊んでいるときに授業に出るっていうのはあるんですけど、高校の時に思っていたよりは、そんなに勉強も大変ではなかったので、苦はなかったなと思っています。自分はもともと勉強ができる方ではなかったのですが、それでも単位はちゃんと取れていたので、志望を決めるときに、そんなに難しく考えなくてもいいかなと、個人的には思っています。

国税専門官合格に向けた勉強と必要な資質

 国税専門官の試験対策を始めたのは、3年の時に公務員試験の予備校に入り始めてからです。公務員試験は、いろいろと併願ができるようになっていて、その一つとして国税専門官があるっていう感じなので、そんなに倍率は高くない試験です。国税専門官の併願先は、都庁と特別区が同じ日に試験があるのでどちらかになって、霞が関に勤める国家総合職・一般職や市役所などに勤める地方公務員も、併願先の一つとして考えられます。受験科目は、主に、憲法、民法があって、公務員試験っていうのは、いろいろな科目を深くやるというよりは、浅く広くやるっていうイメージです。国税専門官の場合には、それに、簿記や会計学という科目が加わります。これをやっておくと、選択肢が広がってアドバンテージになります。簿記の勉強は、独学で高3の12月頃から始めていて、2月に3級を取って、大学1年の6月に2級を取ったので、1級は落ちちゃったんですけど、2級までは持っています。国税専門官に求められる資質は、あまり人から好かれるような仕事ではないっていう話も聞いていますが、国家経営のためには、税金を徴収することはとても重要なことなので、正義感、使命感がもてるっていう、ちゃんと自分の仕事に誇りをもって取り組める方が向いていると思います。

高校時代を振り返って、後輩へのメッセージ

 勉強をそんなにちゃんとやってこなかったので、もう少しちゃんとやっておけばよかったと、ちょっと思います。特に、英語とかにもっと力を入れておいた方が選択肢が広がったのかなと思っています。それと、今はコロナ禍で難しいとは思いますけど、行事とかあったら、思いっきり楽しんでほしいです。部活動もそうですが、普段はちょっと手を抜いてもいいですが、定期テストのときくらいはしっかりと試験勉強をして、勉強をおろそかなしないでほしいなあというふうには思いますね。

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