大学、学部、学科に関して、入学後にわかったこと
理工学部について、①それぞれの専門性を高めることができること②1,2年時の混合クラスで視野が広がること、の2点についてご説明したいと思います。
①について
理工学部は8つの学科からなります。1年生の基礎教養から始まり学年が上がるにつれ、段々といろいろなことを学ぶことができます。特に理工学部では、実験を主とする学科、プログラミングなどの実習を主とする学科、私たち建築学科のような図面を引くことを主とする学科に分かれます。理工学部という1つの学部ではありますが、行っていることは様々で、それゆえに専門性の高い講義を1年生から受けられます。そのため、理工学部を検討している方は1つ1つの学科がどのようなことを主として学習しているのかを調べることが必要だと考えます。
②について
理工学部には混合クラスというものが存在します。これは、学科内で組まれるクラスとは別に、理工学部全体で編成されるクラスのことです。混合クラスでは、1年生の体育、実験と、1,2年生の英語、第二外国語の講義を受けます。1クラスが40人ほどのクラスで、多くの学科との交流が生まれるために、他の学科での学びを知る機会になり、また、意見交換ができる機会になります。また、混合クラス内での同じ学科の人も少ないため、その人たちで仲良くなれます。
大学生活、学習や研究の面白さや楽しさ、苦労したこと
① 建築学科の学習の面白さについて
建築学科の学習の面白さはグループワークを通して設計を行うことです。設計は実際に手書きで図面を書くところからしっかりレクチャーしていただき、基礎を学んだあとで1年生の秋学期から本格的に設計に移ります。設計では約25人の班に分かれます。毎週自分の考えてきた図面を担当の先生や、同じ班の学生から評価してもらい、翌週に繋げます。各学期で二回、約一か月半かけて一つの作品をつくります。
グループワークでは、班の中では学生同士で互いの作品を見て、アイデアを共有し、自分の作品について評価してもらいながらつくりあげます。自分1人の考えでは凝りかたまってしまいがちですが、意見を共有することで自分の作品のヒントになり、また、評価されることで改善案を考えることができます。他学科では体験できないグループワークが多くあるので、より自分の考えを深めたり、意見を共有する力が養えたりします。
②苦労したことについて
建築学科は大変とよく言われますが、実際も大変なことが多いです。設計では、図面を手書きで書いたり、ソフトを使って図面をつくったりする面白さもありますが、それよりも大切なことは自分の考えをアウトプットすることです。建物をつくるということはただ自分のつくりたいものをつくるのではなく、土地、人に対する快適性や利便性など、様々なことを一緒に考慮しなければなりません。担当の先生や学生と話し合ったことをインプットしてそこから自分の考えとしてアウトプットすることも必要です。そのため、自分の考えをしっかりと持って、どのような意図があるのか、なぜこのような形にしたのかなど、明確に自分の意見を持っている必要があります。
また、設計以外にも構造の講義で強い橋を作製するなどの課題が出されることもあります。全て設計と同時並行で進めていかないといけないため、計画性が大切です。さらに、最終的には設計案を発表用に数枚の紙にまとめ、模型も一緒に作製しなくてはなりません。その週はすべてその作製に時間をかけるため、他のことには手が付けられなくなってしまいます。各学期の二つ目の作品はテストの前の週まで行うため、テスト勉強もかなり大変になってしまいます。
しかしこれだけを見ると大変なことばかりだと考えてしまうと思いますが、それらを全て乗り越えた先には高校時代には味わえなかったような大きな達成感が待っています。また、先ほども述べたように、グループワークで作製を進めていくため、学生同士で達成感を共有することもできます。このようなことがあるからこそ、大変なことも乗り越えていけるのだと感じます。
どんなことに取り組んでいる、あるいは取り組んできたか
①高校在学時
高校在学中は、自分の行きたい学科に行けるように、まずは定期テストの結果を上げることから始めました。テストは、二週間前から計画的に進めることを推奨します。私は計画表をつくることはせず、毎回その日に自分の好きな科目や、できそうな科目から始めると集中できます。そこからは、その時々でどの科目の振り返りや、対策が足りないか考えて、勉強していきました。また、特に苦手な科目は、毎回の授業で復習をすれば必ず結果に出ます。1日10分でも、次の日の用意をする隙間の時間でも教科書を開いて見るなど、小さな積み重ねが結果に繋がります。
②進学後全員に当てはまること
大学は自分から挑戦することが大切です。サークルも、部活動も、アルバイトも、自分から挑戦しなければどのチャンスも逃してしまいます。また、学習に対しても大きな挑戦だと考えています。皆がこの講義をとっているからという理由でとることはもったいないと思います。挑戦するからこそ、集団で行動していたときには発揮できなかった自分の一面を知ることができる機会にもなると思います。また、新たに興味が出てくるものがあるかもしれません。実際、私は前に立つほうではなかったのですが、きっかけをいただいてサークルの幹部に指名していただいて、そこから自分自身の積極性を知りました。このように、何か一歩踏み出してみることが大切です。
③資格試験を志す方へ向けて
明治大学の建築学科は、条件を満たせば、一級建築士・二級建築士の試験を受ける資格が得られます。実際、就職活動の際に取得していれば有利になることは間違いありません。また、設計の仕事をする企業であると、絶対条件ではありませんが、就職後に資格を取得するための補助が付く場合もあります。
卒業後のビジョン、進路について
建築学科では、意匠系、構造系、設備系に分かれて研究室が設置されています。大学3年時の10月に最終決定し、それによって将来のビジョンが見えてくるため、現在はまだ決定しておりません。
しかし、建築学科では約半数の学生が就職するため、どちらになっても良いように、就職に向けてのインターンシップには行っています。
一般的に、建築学科の中でも大手のゼネコンに行く人は、大学院を卒業している人が主です。そのため、そのようなゼネコンに行きたい人は大学院に進むことをお勧めします。また、ハウスメーカーや、ゼネコンでも構造系、設備系を希望する学生は、学部卒で就職することができます。
後輩へのメッセージ
大学の4年間は今後を大きく左右するものになります。実際、理系が大変であることは事実です。しかし、私は、自分のやりたいことができている現状や、上で書いたように、課題を終えたときの達成感は他の学部・学科では味わえないものだったと感じております。そのため、みなさんには大変そうだからという理由で理系の学部に進むことを諦めてほしくありません。
また、全学部共通のこととして、自分次第で大学生活が充実するかが変わるということです。この学部に行ったから楽という考えではなく、どこに行っても向上心を持って勉学に励んでほしいと感じております。
みなさんには、大学にどのような楽しいことが待っているのだろうというワクワク感を持って大学に入学してほしいです。