大学、学部、学科に関して、入学後にわかったこと
「農学部」と聞くと「農業を学ぶところ」というイメージを持つ方が多いと思います。しかし実際に学んでみると、農学部の学びはそれにとどまらず、農業、畜産、植物、動物、バイオテクノロジー、化学、生物多様性、微生物、そして社会科学にまで広がっていることが分かりました。単なる農業の技術や知識にとどまらず、人間社会と自然環境の双方を理解するための幅広い学問体系が整っている学部だと実感しています。
学科ごとの特色もはっきりしており、
・ 農学科では、農業技術や生物多様性の保全、生活環境の設計などを学び、
・ 農芸化学科では、化学を通して有用微生物や食品・土壌について研究、
・ 生命科学科では、バイオテクノロジーを駆使し、動物の生命活動を多角的に解き明かし、
・ 食料環境政策学科は唯一の「文系的」学科で、経済や社会の視点から農業を理解します
これら全ての学科において、入学前には想像できなかったほど多様な学習の選択肢があると感じています。
大学生活、学習や研究の面白さや楽しさ、苦労したこと
農学部の魅力は、環境や生態系をめぐる幅広い研究に取り組めることです。教科書で学んだ知識を現場で確かめたり、自然や生物の実態を自分の手で調査したりすることで、学問が単なる知識ではなく「生きたもの」として実感できます。
一方で、研究は地道な作業の連続です。採取したサンプルを顕微鏡で観察し、環境条件を揃え、膨大なデータを整理していく作業は決して派手ではありません。成果がすぐに出るわけではなく、粘り強さと根気が求められます。また、生物学や化学といった基礎的な知識が欠かせないため、高校・大学で学んだことの復習も欠かせません。
それでも、身近な自然や環境に対して「なぜこうなっているのだろう」と疑問を持ち、その答えを探していく過程は非常に楽しく、学び続けたいという意欲につながっています。
どんなことに取り組んでいるか、あるいは取り組んできたか
高校時代は、身近な環境や生態系の問題に興味を持ち、ナラ枯れ病や植物の病気の発生について独自で調べていました。身の回りの自然を題材にした探究活動を通じて「環境と人との関わり」に目を向けるようになったことが、農学部を志望するきっかけになりました。
大学に入って現在は植物線虫学研究室に所属し、洞窟という特殊な環境から採取した線虫という微生物がどのように適応しているかを調査しています。このテーマは世界でもまだ本格的に研究されていない分野であり、未知の領域に挑戦しているという実感があります。自分の趣味である洞窟探検と、自分の研究対象である線虫の調査を同時に行えるのは、とても充実感はあります。
また、学業以外では様々なサークルの副幹事長や班長を務め、フィールド活動や学外調査にも取り組んでいます。趣味の洞窟探検や旅行、温泉といった日常の楽しみも大切にしており、これらが研究の発想や活動の活力につながっていると感じています。
卒業後のビジョン、進路について
卒業後の進路についてはまだ模索中ですが、大学で培った「環境を多角的に捉える視点」を活かしていきたいと考えています。研究を続けて大学院に進学する道もあれば、農業や環境関連の分野で社会に貢献する仕事に就く道もあります。農学部は進路の選択肢が非常に広いため、これからの学びや経験を通して自分の進むべき道を見極めたいと思っています。
後輩へのメッセージ
農学部や理系の学部・学科に進むために大切なのは、知識以上に姿勢だと感じています。
そのためには、
① 身の回りのことに「ナゼ?」と疑問を持ち続けること
② 勉強だけでなく、経験を通じて学ぶこと
③ 遊ぶ、楽しむ、熱中すること
④ 「自分がやらなきゃ誰がやる」という主体性を持つこと
の4つの姿勢が大事だと考えています。
大学生活は自由度が高く、自分の意思次第で学びも活動も大きく変わります。だからこそ、興味を持ったことに積極的に飛び込んでほしいと思います。
また文理の志望関係なく、今興味があることが今後の進路の全てではありません。今後出会う新たな学問や領域が、自分の知らない可能性を拓いてくれる可能性も大いにあります。なので、今やりたい事・知っている事にこだわらず、世界にある様々な事を広く知り、感じ取り、自分のものにしてほしいです。
農学部は、自然や環境に少しでも関心がある人にとって、多くの発見と挑戦ができる魅力的な場所です。皆さんの進路選択の参考になれば幸いです。
