今年度の研修は7月23日から25日の3日間で実施し、岩手県陸前高田市・釜石市(鵜住居町)・大槌町を訪れました。
東日本大震災から14年が経ち、それぞれの「復興のカタチ」で前に進んでいるように見える岩手県の各沿岸地域。
それぞれの復興について考えながら、研修を通して震災の記憶や教訓を、そして生きることの大切さを、
被災した「まち」や「人」から学ばさせていただきました。改めて「いのちを想い、今日を生きることの大切さ」を感じた3日間になりました。
【1日目】陸前高田
高田松原津波復興祈念公園・東日本大震災津波伝承館・震災遺構下宿定住促進住宅・民泊
【2日目】釜石・大槌
講話(宝来館・前女将・岩崎さん)・いのちをつなぐ未来館(避難路を歩く)・大槌町内フィールドワーク・講話(ホテルはまぎく)
【3日目】大槌決断のワークショップ・遠野市後方支援資料館
《研修に参加した生徒たちの言葉》
・町によって復興のカタチは違った。
・宝来館の女将さんの「生き残った人の使命」という言葉が印象的だった。
・家族・友人など身の回りの人に(研修で)見てきたことやそこで考えたことを話すことが大切。
・もし、大きな災害があったときは「自分が逃げる」ことを優先する。
家族などの大切な人に迷惑をかけないためにも、まずは自分が逃げて安全を確保することが大切。
・学んだことを知るだけで終わらせるのではなく、後の世代の人に語り継いでいくことが大切。
・「正しい知識を身につけて、対策すること」「他人を信じることの重大さ」「答えのない問を素早く判断することの難しさ」を学んだ。
・震災など自然災害を乗り越えていくにあたって、人と人の関わりは必要不可欠なものと感じた。
・助け合いをするには、自分が生き残らなければできない。自分自身を守れないなら周りの人も助けることができない。
・研修では写真だけでは感じられない、自分の目で見て初めてわかること、思うこと、考えさせられることがたくさんあった。
・被災地で聞いたことを家族や友達と共有する。当たり前のことにも感謝して生活を送る。
・事前の準備・訓練の大切さ、自分だけでも逃げる「行動力」と「勇気」の大切さ、災害へのしっかりとした知識を身につけることの大切さを学んだ。
・東日本大震災について、いかに無知であったかについて実感させられ続けた3日間だった。
・自然災害を他人事とはとらえずに、すぐに避難することの大切さであったり、地域の中のコミュニティをはじめとする人と人との信頼、絆、つながりの力。
これに勝る防災、減災対策はないと学んだ。
・防災教育の重要性。当事者意識をもつことの大切さ。(地域による)「復興」のあり方の多様性。
・互いを信じ合い、自分だけが特別だと思わない。「自分は大丈夫」という根拠のない安心感はきっと誰もが経験したことがあるはず。
しかし、それによって命を落とすことがある。
・いままで大きな地震が自分の地域にきたことがなかったとしても、「私なら大丈夫」と慢心せずに被災したときの避難ルートや避難場所、集合場所を
家族と話したり、自分の活動している地域で起こりうる災害を想定し、それに応じる対応を把握することが大切だと思った。
【事後指導】(研修翌日実施)
3日間の研修を振り返って、それぞれの感じたことや思いをまとめ、互いに共有し合うとともにそれを林校長に発表して感想をいただきました。
生徒たちにはこの3日間の研修で経験したことを「思い出」にするのではなく、これをきっかけにしてこれからも災害や防災について考え続け、東日本大震災から学んだことを語り継いでいってほしいと思います。
今年も昨年に続き、一番心に響いた瞬間を撮影し、その瞬間の写真(Photo)とその瞬間についてのコメント(Voice)を添える「フォトボイス」を作製します。「写真」だけでは、あるいは「言葉」だけでは伝えきれない思いを、両者を組み合わせることによって他者に伝える手法です。生徒達が作成したフォトボイスは文化祭で展示します。ぜひお越しください。