8月1日に大学連携の一環として、駿河台キャンパス猿楽町校舎にある模擬法廷において『法曹入門講座』が実施され、中学3年生4名と高校生48名が参加しました。
石田倫識教授(専門:刑事訴訟法)より刑事裁判の原則や流れ、日本の刑事裁判の現状などについてお話をうかがい、その後、模擬刑事裁判に臨みました。模擬刑事裁判では、あらかじめ配役を決め、様々な証言や証拠が示され、それに基づいて自分たちで量刑を決めて判決を出すなど、実際の裁判に近いかたちで行いました。そして、役に限らず参加者全員が、石田教授からのアドバイスをいただきながら量刑について話し合いました。このような経験は、生徒たちにとって初めてのことであり、日常生活では学ぶことのできない貴重な経験となりました。それ以外にも、日本の刑務所における課題である「再犯を減らすために何ができるか」というテーマについてもディスカッションを行いました。
これを機に、社会の一員として日本の法制度や裁判の仕組み等について興味をもち、これからも学び続けてほしいと思います。
《法曹入門講座に参加した生徒たちの言葉》
〇私は、裁判の傍聴に行ったことがないので、どのような雰囲気で裁判が行われているのか全く知識はありませんでした。しかし、本物のようなセットの中で進められる模擬裁判を傍聴していくうちに、裁判とは間違った判決をしないようにするための確認作業のようだという印象を受けました。これを受け、改めて本物の裁判はどのようなものか興味が湧きました。法曹界に興味のある人が一歩踏み出してみるのにとても良い機会だと思います。(高校1年 T.O.)
〇将来の進路として法曹に関心を持ったため、法曹入門講座を受講しました。傍聴人という立場から裁判に参加し、刑事裁判の仕組みや多角的な視点に興味を持ちました。また、裁判の後に行われた「どのように再犯を無くすか」についての議論が興味深かったです。模擬裁判を通じて法曹の役割や裁判の目的など法曹の理解をより深めることが出来たと思っています。(高校2年 T.M.)
〇今回、法曹入門講座を受講してみて、今まで難しくて敬遠していた法学を少し身近に感じることができました。模擬裁判では被告人役をさせていただいて、役を通して実際にどのように裁判を行なっているのか、また被害者や検察、弁護人とのやりとりなど細かく貴重な体験になりました。法学にも種類が多くありますが、楽しんで刑事法を学ぶことができたのでよかったです。(高校3年 H.T.)
〇私は今回の法曹入門講座を通じ、法曹三者が担っている責任や役割について体系的に学ぶと共に、その重さを実感しました。私は陪席裁判官として参加し、各々の主張する内容を整理していく中で、特定の意見に肩入れしてしまいそうになり、裁判官として公平に判断することの難しさを痛感しました。また、法律が社会の中で実際にどのように機能しているのかを知ることの大切さも学びました。今後は報道されるニュース等に対しても、倫理観を持って冷静に向き合い、自ら考える姿勢をより一層大切にしていきたいと思います。(高校3年 T.N.)
〇法曹の知識に乏しい私は、模擬裁判では検察官役を務め、実際の裁判の流れを体験しました。ご指導いただいた石田教授が仰っていた「裁判では無辜を探すのが大切だ」という言葉が印象に残りました。法曹や法学部への興味が深まった有意義な1日となりました。(中学3年 K.O.)